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”デザインはギフト” と考える。 ~広告・販促デザインの役割を、究極にシンプルに考えてみる~

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Essay
”デザインはギフト” と考える。 ~広告・販促デザインの役割を、究極にシンプルに考えてみる~ ヘッダー header essay design


こんにちは。SUZUdesignのsuzuです。
普段、主に店舗様や中小企業様のブランディングデザイン、および広告・販促物のグラフィックデザインを手がけております。

この記事は、現在もしくは今後、デザインを発注 or もしくは自作する必要性が生じた際に、頭に入れておくと少し “広告・販促物デザイン” の捉え方が変わるかも? な、概念のお話を。

“デザインって、結局なんなんだろう?なんの役割があるんだろう?”

多くのクリエイターがそれぞれに持論を展開するこのテーマに、私も向き合ってみます。


広告や販促物が必要となるとき

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突然ですが、貴社または貴店が、何か新しい事業を始動したり、新しいサービスや商品を世に出そうといったフェーズを迎えた際に、まず執り行うことといえば何でしょうか?
そう、その新しく生まれたコンテンツのPR活動ですよね。

厳密に言えば、その新コンテンツの企画・開発・試験と同時期に並行して行なっているべきことではありますが、そう行った細かい工程のお話はまた別の記事で)

では、そのPRに使うツールをどう作っていきますか?

満を持して誕生させたそのコンテンツの内容とそのメリットを、「より広く」、「スマートに」、「かつ明瞭に」、「キャッチーに」、「よりダイレクトに」、ターゲットユーザーへ伝えるべく、試行錯誤を繰り返しながら準備に当たられるかと思います。
そして、ご予算やスケジュール、規模などを考慮して、ここから先の道程はおおよそ下記の2パターンに分かれていくのではないでしょうか。

”上記の要望を叶えてくれる” 広告デザイナーを探し、外注する

テンプレートや無料ソフトを使用しながら自身で作成する

読んで字の如く、広告や販促をするに当たる全部または一部を外注するか、それの全部または一部を自社で作成するかの違いです。

今回は、上の2パターンの違いやそれぞれの細かいお話をする訳ではありません。また、「の自分で作るなんて絶対にやめてください!」などというつもりも毛頭ありません。

の、発注先の選び方云々は、また別記事で触れていきますね。)

では何が言いたいのかというと、
外注するにしても自作するにしても、自社のコンテンツを周知させる広告・販促物を「ただそれっぽく作ればなんとかなるでしょ? とりあえず作ることに意味があるんでしょ?」といった意識でいませんか?
だとしたら「その考え、ちょっと止まりなさい!!」と笛を吹かせていただきたいのです。


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”デザインはギフト”

”デザインはギフト” と考える。 ~広告・販促デザインの役割を、究極にシンプルに考えてみる~ イメージ image essay design

ここで本記事の本質(結論)をお話しします。
タイトルにした “デザインはギフト” は、私がデザイン業務をするに当たって、常日頃から意識しているひとつの軸です。
どういうことかというと、この考えには2つの理由が。

1つ目は、我々広告制作陣(クリエイター)にとって広告や販促物というのは、ご依頼者様であるクライアントおよび対象のコンテンツ(=事業、サービス、商品等)を広く世に知れ渡らせる価値あるツール。いわば、新しく生まれたコンテンツ、もしくは埋もれてしまっている既存のコンテンツにスポットライトを当てる役割があります。
ご依頼者様の「一発当てたい」「自信を持って企画・開発してきたものを広めたい」「いろんな人に使ってもらいたい」「いっぱい稼ぎたい」「誰かのためになってほしい」などなど、そういった想いや理念を汲み取り、デザインという手法で形にし、広告という手段でご依頼者様の目的を叶えます。
クライアントのご要望や目的に寄り添い試行錯誤を凝らした末に、適切に伝わるビジュアル化を図る—これが、私がデザインを “ギフト” と考える1つ目の所以です。

そして大事なもう1つの理由。こちらはぜひ、ご依頼者様が自分事として考えてみてください。
デザイナー側からクライアントへ、丁寧に作成され納品されたその広告という名の贈り物は、今度はご依頼者様からユーザー(toB/C問わず顧客様)のために贈られる物となります。
ユーザーが日頃「こんなものが欲しい」「こんなものがあったらよいと思っていた」「好きなブランドの新着情報はいち早く知りたい」などと感じている顕在・潜在意識に向けて、
「あなたの助けになるような商品、ここにありますよ!」
「生活/ビジネスをより充実させられそうな商品をリニューアルしました!」
「いつもご愛顧いただいているこの商品に、新しいラインナップが加わりましたよ!」
といったメッセージを、そのコンテンツやブランドの世界観をまとった箱に丁寧につめて世へ提供する—それはつまり、顧客の購買意欲に働きかける役割となります。
「あなたのために作られた商品です」という呼びかけが真摯であればあるほどその広告の効力は強く発揮されるもので、それは紛れもなく、”デザインはギフト” と考えるに値するのではないでしょうか。

この「あなたのために作られた商品です」というニュアンスを広告上で謳うためには、適切なターゲティングをする必要性があります。それはまたいずれマーケティングの記事でご紹介します!)

なので、先の項目で挙げたデザインの作成方法、外注か自作かのどちらを取るにしても、決して忘れて欲しくないことを以下に記載します。

外注する場合
貴社が顧客様のために贈る広告を、発注先に丸投げするべからず
→デザインの丸投げは、例えば、大切な人への贈り物を十分な情報も与えないまま赤の他人に「なんでもいいから適当になんか良さげなやつ選んどいて。後で精算するから」と言っているのに近いです。どんな想いでそのコンテンツを世に出すのか、ここまでにどんなストーリーがあってどんな未来を描いているのか、発注先のデザイナーにお話してください。一緒に考えていきましょう。

自作する場合
テンプレートや既存のデザインに依存するべからず
→今の時代、無料のテンプレートや真似したくなるようなデザインが溢れています。が、闇雲に選んだテンプレや他社のデザインに似せて、貴社のコンテンツの情報を無理矢理ねじ入れるのは、例えば、サイズやスタイルや趣向にまったく合わない服を勝手に買ってこられて着せられた時に生じる不快感のような、歪な広告を生む原因になります。まず自社のコンテンツの情報を丁寧に精査・整理をした上で、デザインやテンプレートを選び、アレンジやカスタマイズをしましょう。


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商品の魅力の伝え方、鍵を握るはデザイン次第

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「自社商品自体に魅力があるんだから大丈夫」

ですか?
でも、その魅力を存分に引き出せるデザインを携えた広告・販促物を作り出すと、より効果に期待が持てますよね。

最後に、広告・販促物デザインの役割と存在意義を考えてみましょう。

ここまでお読みいただいたように、広告・販促物のデザインをギフトとして捉えてみると、デザインで《誰に》《何を》《どう》 伝えるべきで、その広告や販促物によってターゲットの心をどう揺り動かせるか、という考えがほんの少し芽生えてきたかな、と思います。
でも、デザイン自体は決して主役ではありません
。主役は、試行錯誤を繰り返して企画し、緻密に開発に挑み、試験に試験を重ねて貴社が自信を持って世に送り出す、そのコンテンツそのものです。
そうして生まれたその商品を広告・販促するそのデザイン、同じように試行錯誤して作り上げていった方がいいに決まっていますよね。

たとえば、
<肌に優しいボタニカル由来の化粧品>を売り出したいときのデザインであれば、
商品を包むパッケージには「とにかく肌に優しいものを求める方の目に留まる」デザインを。そして、ブランドブックには「この商品を安心して肌に使っていただける旨を裏付ける、ユーザーが心地よく使用できる後押しとなる情報」を商品の世界観に乗せて真摯に綴ります。

たとえば、
<シニカルコメディな演劇舞台の告知>をしたいのであれば、
皮肉や伏線の張り巡らされる作品を好むユーザーの目を惹かせるような、一筋縄ではいかなさそうなイメージを可視化したチラシ/ポスターを。それによって、劇場に足を運ぶユーザーに対し、幕が開けるまでの思い馳せる時間や期待感を添える効果が与えられます。

たとえば、
<駅近でサラリーマンに向けて、深夜までやってる定食屋を新たにオープン>したのであれば、
「ホッと一息つけるご飯とお席がありますよ」と優しく誘うロゴや看板が夜道に佇んでいること。忙しく働く大人が日中に切磋琢磨して、夜は満員電車に揺られて、疲弊する平日の真ん中にそんな場所を求めていたとしたら、その店の暖簾をくぐりたいという気持ちに寄り添うことができます。

色々と上記で例を出しましたが、繰り返します。デザインそのものは決して主役ではありません
あくまでもメインの傍にさりげなくも力強く寄り添い、コンテンツの魅力を引き立て、どういったストーリーを経てそれが誕生しかたという秘話を時には織り交ぜて、それを必要とするターゲットへお届けするためのツールです。

デザインで《誰に》《何を》《どう》伝えるべきで、その広告や販促物によってターゲットの心をどう揺り動かせるか、を無視して進めてしまうと、
コンテンツの持つ世界観をぶち壊すようなデザイン、結局何が言いたいのか不明瞭で空中分解したデザイン、万人に好かれたいのが見え見えで的を射ていないデザインが生まれ、結果として届けたかった人に届かずに、せっかくの機会すら得られなかった ”失敗例” も数多くあります。
コンテンツを生み出したきっかけや制作工程、その経緯の各所のポイントへ立ち戻ったり振り返ったりしながら、丁寧に作り上げていくもの—それが、広告・販促物のデザインです。


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おわりに。

新しく生まれたコンテンツ、もしくはもっと周知させたいコンテンツがあるときに必要となってくる広告・販促物のデザインを、「(お客様へ向けた)ギフト」として考えてみると、《誰に》《何を》《どう》 伝えるべきで、その《誰》の心を揺り動かすことができるか、という軸が1本できるはずです。
とはいえ、貴社や貴店は本業や通常業務がメインですよね。「時間のない中、チラシやWEBサイトをどう伝えたら効果的かなんて、そんな丁寧にやってられない!」というのはよくわかります。

そんなときは、一連の広報活動に出資できるご予算と作りたい広告ツール、販促や事業に関するお悩みを、SUZUdesignにご相談いただけませんか?
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